太宰のイメージ [日々の戯言]
- 作者: 太宰 治
- 出版社/メーカー: 集英社
私が太宰にはまっていたのは、高校時代でした。懐かしいです。同じく三島由紀夫もはまって、高校の図書館でこの二人の全集を毎日の様に借りては通学の電車の中で読んでいたものでした。田舎者だったから、通学の時間が長くてのう。時間が有り余っておったのですよ。しかも、「電車の中で教科書とか参考書は読みたくない」主義だったのです。
多感で純粋だった(苦笑)あの頃と、「人生最終的には何とかなる。どうにもならんかったら、金の力で解決しちゃる(From毎日かあさん)」な今では、多分読後感って違うだろうなあ。汚れちまった哀しみに、今日も雪が降り積もるのですよ。
この表紙だと偉く男前だけど、この主人公って自分の恋人だか妻だか忘れたけど、目の前で辱めを受けているのに制止すらせず、ただぼんやりとその光景を眺めていた、っていう記憶があるんだけど、それって別な話だっけ?「恥の多い人生を送ってきました」と、「ただ一切は過ぎていきます」は今でも記憶鮮明ですが。太宰の自叙伝みたいなものなのか、と思いながら、当時は「…なるほど、だから自害したのか…」と読み終わった時に思った記憶があります。